鍋店の酒造り

MANUFACTURE

鍋店の酒ができるまで

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玄米 -酒造りに適したお米は-

日本酒造りには、酒造好適米(しゅぞうこうてきまい)と呼ばれる特別に栽培されたお米を好んで使用します。山田錦・五百万石・美山錦などがその代表的な品種ですが、この酒造好適米は一般に食べられているお米と比較して、大粒でやわらかく、タンパク質の含有量が少ないという性質を持っていて、しかも米粒の中心部分に白くうるんだ「心拍=しんぱく」が有るのが最大の特徴です。当社ではこの酒造好適米の中で、兵庫県産の山田錦・秋田県産の美山錦、酒こまち・千葉県産の総の舞などを全て契約栽培にて購入し、酒造りに使用しています。

精米

ご家庭で一般的に食べられているお米は8分突き。つまり玄米の表層部から8%程度(精米歩合92%)削り取った白米を炊いています。しかし日本酒を造る場合には少なくとも精米歩合70%以下、つまり玄米から30%以上もの表層部分を糠にしてしまうのです。大吟醸酒などを仕込む時などは、当社の場合精米歩合50%から35%の白米を使用しますから、それこそ半分以下の大きさまで精米することになります。その訳は、玄米の表面に多く含まれる脂分・タンパク質・ミネラル分を取り除き、お米の中心の澱粉分を使って醸造したいからなのです。

精米

洗米・浸漬

白米に付着している糠分を大量の水で洗い流し、そしてその米に水を吸わせます。この作業のことを洗米・浸漬(しんせき)と呼んでいます。この時、原料米にどれくらい水分を吸わせるかがとても重要で、精米歩合によっても、お米の品種によっても変わりますがおよそ30%程度の吸水を基準に作業しています。精米歩合35%の原料米を洗米・浸漬するときなどは、数分の時間内で手早く済まさねばならないときもあります。

洗米・浸漬 洗米・浸漬

蒸米

洗米・浸漬によって水分を吸わせた原料米は強力な蒸気で蒸します。この作業の目的は米の澱粉分を水に溶けやすいα化(アルファー化)澱粉に変えることで、これにより出来た蒸米は、放冷機や手作業による放冷を終えた後、麹(こうじ)造り、酒母造り、醪(もろみ)造りに使われて行くのです。

蒸米
蒸米 蒸米

麹(こうじ)

35℃位まで放冷した蒸米に種麹(たねこうじ)を塗して麹米を造ります。麹米は室(むろ)と呼ばれる暖かい特別な部屋に運ばれ、約45時間から52時間を費やして造られます。蒸米に付着した麹菌が、米の澱粉分を甘いグルコースに変える糖化酵素を創り出し、時間経過と共に甘栗のような香りの甘ま~い麹米が出来てきます。この作業を通して出てくる麹米の品質は、この先の酒造りに大きく影響を及ぼすことになるので、失敗は許されません。

麹
麹 麹

酒母(しゅぼ)

麹米が出来上がると、いよいよ酒母造りの工程に入ります。まず小さめのタンクに仕込み水を入れ、その中に麹米、乳酸、酵母、そして仕込み当日に蒸し上げた蒸米を投入して仕込みは完了します。後は温めたり冷やしたりの品温管理を行いながら、櫂入れと言ってよく混ぜ合わせる作業を続けていくと、麹米から抽出される糖化酵素の効果によって蒸米が溶けて甘くなり、甘酸っぱい液体に変化していきます。そうなると今度は酵母の出番ですとばかりに、酵母は出てきた糖分をエネルギー源としてアルコール発酵を行なうのです。つまり酒母は、予め小さなタンクの中で優良な酵母を大量に増殖させることが目的で、言うなれば酒の母なのです。

酒母

醪(もろみ)

酒母が出来上がると醪(もろみ)と言って、大きな仕込みに入ります。まず酒母を大きなタンクに移し、それを素に仕込み水、麹米、蒸米を投入します。(初添え) そして二日後、同じく仕込み水・麹米・蒸米を投入し(仲添え)、さらに翌日、仕込み水・麹米・蒸米を投入して(留添え)、醪の仕込みは終了します。このように醪は一度に総量を仕込むのではなく、三回に分けて仕込むので三段仕込みと呼ばれています。こうして仕込まれた醪は厳重な温度管理のもと、20日から30日掛けて発酵・熟成が進み、やがて上槽(しぼり)を迎えるのです。

醪(もろみ)

上槽(じょうそう)

熟成した醪は上槽(しぼり)をして、お酒と酒粕とに分けます。しぼりたての新酒はアルコールが高く、滓(おり)が残っている為少し濁りがありますが、フレッシュさは何と言っても一番です。ところでこの上槽の仕方もいろいろあって、当蔵では薮田式自動圧搾機によるしぼり方ともう一つ手作業による吊るし搾りとがあります。機械式は簡単にそして確実に大量の醪を搾ることが出来ますのでその点では大変便利で優秀な機械です。一方、手作業による吊るししぼりは小さなしぼり袋に醪を入れて、吊るしながら自然に滴り落ちる酒のみを集めて製品にするので、誠に手間が掛かりますが繊細な味・香りを重視する酒には一番の方法です。

上槽(じょうそう) 上槽(じょうそう)
上槽(じょうそう)

濾過(ろか)

上槽した新酒は別のタンク移され約3週間程度熟成させます。その間にお酒に残っている滓(おり)はタンクの下に沈殿しますので、お酒の雑味の原因ともなるその滓を大型濾過機で濾過し、キレイにします。但し、無濾過の状態で出荷する製品は、滓引きのみ実施し濾過をしません。

加熱殺菌(火入れ)

上槽後、滓引き・濾過を終えたお酒は、65℃前後の温度で加熱殺菌します。この作業を火入れと呼んでいます。この火入れの目的は、残留している可能性のある酵素や酵母を完全に取り除く為で、これによってタンク内のお酒が健全に熟成を続けることが出来ます。但し、生酒のような非加熱で出荷する製品は、冷蔵保存にて管理しています。

貯蔵

加熱殺菌を終えたお酒は、貯蔵タンクの中で(約6ケ月以上)貯蔵・熟成させます。この期間に味が落ち着き、まろやか味わいと馥郁なる香りの酒が生まれます。

貯蔵

瓶詰・検瓶

容器を殺菌・洗浄し、瓶にキズや割れが無いかをチェックしてからお酒を詰めます。瓶詰めの最終工程として、中に異物などか混入していないか光に透かしつつ1本1本チェックします。

瓶詰・検瓶

ラベル貼り

大きなロットでのご注文の場合には機械によるラベル貼りを行いますが、限定製品や少量の出荷の場合には手貼りで一枚一枚、丁寧に仕上げています。このようにして当社の製品が長い時間を費やしてやっと出来上がるのです。

ラベル貼り